発酵の本質とは、時間と空間、そして微生物の三位一体が揃ったときに初めて発揮されるメカニズムです。今日仕込んで、今日完成する発酵食品は一つもありません。発酵の過程は、丁寧に仕込んだ日から発酵が完了するまでの時間そのものです。この時間の価値を理解した人々が、食の重要性を深く感じ、味わい、そして大切にするのです。
熟成もまた同様です。
大豆や米が酵素によってじっくり分解されていく様子は、まさに自然の力。低温でじっくりと熟成させた食品や、微生物が働いて発酵した食材も、その過程には確実に時間が必要です。
例えば、1年をかけて熟成させた醤油、1年かけて発酵させた酢、また味噌や生ハム、チーズに至るまで、どれも時間が必ず必要です。
「今日仕込んで、今日結果を求める」という現代的なスピード感を超え、むしろ、時間とじっくり向き合い、微生物と対話しながらその過程を尊重すること。これこそが、発酵と熟成の本当の価値なのです。
発酵や熟成を経て、手に入れた結果は、まさにその時間の贈り物。時間をかけてこそ生まれる深い味わいを感じ取ったとき、食に対する意識が変わり、新たな価値観が生まれます。時間をかけて作り上げられた発酵食品や調味料を手にしたことで、私たちの食の概念は根本から変わり、基準が変わり、体が変わり、心が変わり、ひいては人生までも変わるのです。
発酵と熟成の「時間の価値」を体験することこそが、家族や自分自身の健康意識をも変革する力を持っているのです。
11:00〜3:00まで
午前1部:11:00~12:00
昼休み:12:00~1:00昼時間(アカデミーはランチなど食事はご提供いたしません。)
午後2部:1:00~2:00
休憩時間:2:00~2:10
午後3部:2:10~3:00