発酵の仙人- 27 9月, 2026
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種菌いらない!自然界の天然麹で米麹を培養する
天然の菌で発酵するということ。
「昔ながら」だけでは終わらせない。安全性まで科学で証明する。

野生菌や天然の麹を使った発酵。
そこには、その土地の空気、気候、環境、そして長い年月の中で育まれてきた微生物の生態系を活かす、素晴らしい食文化があります。
一方で、
「野生菌って本当に安全なの?」
「天然の菌を使って、カビ毒は大丈夫?」
「種麹を使わなくても、本当に食品として安全なの?」
そんな不安を持たれる方がいらっしゃることも、当然だと思っています。
食品を扱うプロだからこそ、僕たちはその心配を軽く考えてはいけないと思っています。
「天然だから安全」ではありません
僕たちが大切にしているのは、
天然=安全と決めつけないこと。
自然界には、人間にとって有用な微生物もいれば、食品製造では注意しなければならない微生物も存在します。
だからこそ、天然の菌を扱うのであれば、経験や勘だけではなく、微生物を理解し、さらに出来上がった食品の安全性を科学的に確認することが重要です。
僕自身、食品製造・輸入・分析の現場に携わる立場として、ここは徹底しています。
アフラトキシンをはじめとする各種カビ毒についても、第三者の認定機関へ検査を依頼し、「不検出」であることを確認したうえで、お客様や保育園へお届けしています。
「昔からやってきたから大丈夫」ではなく、
伝統を、現代の科学で確かめる。
これが僕たちの発酵に対する考え方です。
今日は、10年前に開発した「味噌がチーズになる」米菌を仕込んでいます

今日は、お客様と保育園へ納品するための米菌を仕込んでいます。
これは約10年前に開発した、僕たちにとって非常に思い入れのある発酵です。
テーマは、
「味噌がチーズになる」
発酵は本当に面白い。
同じ原料でも、どの微生物が働くのか、どんな環境をつくるのかによって、香りも、味も、質感も大きく変化していきます。
だから僕は、発酵を単なる「レシピ」として教えたくありません。
大切なのは、
なぜ、この菌が育ったのか。
なぜ、この香りになったのか。
なぜ、この発酵が起きたのか。
その「なぜ?」を理解することです。
種菌がなければ発酵できない。それで本当にいいのでしょうか?
現在の麹づくりでは、一般的に種麹を利用して麹菌を培養します。
もちろん、種麹を利用することには、安定した製造を行いやすいという大きなメリットがあります。
しかし、ここで一度考えてみてほしいのです。
もし、種菌が手に入らない土地へ行ったら?
海外の山間部や離島など、簡単に種菌を入手できない環境だったら?
発酵食品はつくれなくなってしまうのでしょうか。
自然界には、もともと多種多様な微生物が存在しています。
だから僕たちの講座では、単に「種菌を入れて麹をつくる方法」だけを学ぶのではありません。
自然環境に存在する微生物をどう捉え、どう選択・培養し、発酵へつなげていくのか。
そして何より、
それをどう安全に食品へ応用するのか。
ここまで学んで初めて、「発酵を理解した」と言えるのではないかと考えています。
レシピではなく、「発酵できる力」を身につける
食品発酵学プロスペシャリスト養成講座で目指しているのは、決められた材料を計量して、決められた手順を再現することだけではありません。
微生物を知る。
環境を読む。
発酵の変化を見る。
異常を見分ける。
そして、安全性を確認する。
場所が変わっても、材料が変わっても、自分で考えて発酵を組み立てられる力を身につける。
それこそが、この講座で伝えたい本当の技術です。
天然菌を使うことは、「昔ながらだから素晴らしい」という話ではありません。
反対に、「野生菌だから危険」と一言で片づけるものでもないと思っています。
必要なのは、微生物学・発酵学・食品科学の視点から、その菌と現象をきちんと理解すること。
伝統 × 微生物学 × 食品科学 × 安全性
自然の力への敬意を忘れず、それを現代科学で検証する。
僕たちは、そんな発酵をこれからも追求していきます。






