発酵の仙人- 27 9月, 2026
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天然調味料と伝統発酵とは
発酵とは、「時間」を食べること。
みなさんは、発酵の本質とは何だと思いますか?
麹でしょうか。
酵母でしょうか。
乳酸菌でしょうか。
もちろん、微生物は欠かせません。
でも僕が長年、発酵と向き合い続けて感じているのは、発酵とは単に「菌を使って食品をつくる技術」ではないということです。
発酵の本質にあるもの。
それは、
「時間・空間・微生物」
この3つが重なり合うことで生まれる、自然界の壮大な営みです。
考えてみてください。
今日仕込んで、今日完成する本物の発酵食品はありません。
醤油も、味噌も、酢も。
仕込んだその日から、目には見えない微生物たちが動き始めます。
人間が眠っている間も。
仕事をしている間も。
季節が春から夏へ、夏から秋へと移り変わっている間も。
微生物たちは、静かに働き続けています。
そして数か月、一年、時には何年という時間をかけて、原料はまったく別の香り、味、色、質感へと変わっていく。
人間がつくっているように見えて、最後につくり上げているのは自然なのです。
だから僕は、発酵食品には「時間」が入っていると思っています。
一年熟成した醤油を口にする。
一年かけて発酵・熟成した酢を味わう。
その一滴の中には、原料だけではなく、一年という二度と取り戻すことのできない時間が刻まれています。
だからこそ、あの複雑な香りや深い旨味、奥行きが生まれる。
僕たちは発酵食品を食べながら、ある意味では、
「自然が積み重ねた時間」を食べているのです。
「早くつくる」時代だからこそ、学んでほしい。
現代社会では、何でも速く、便利に、効率よくすることが求められます。
でも発酵の世界は、その逆です。
急がせるのではなく、待つ。
無理に変えるのではなく、変化を見守る。
人間の都合だけでコントロールするのではなく、温度、湿度、季節、空間、そして微生物の状態を感じ取る。
発酵を本当に学び始めると、
「何日置けば完成ですか?」
という考え方から、
「今、この菌たちは何をしているのだろう?」
という考え方へ変わっていきます。
ここから、発酵は一気に面白くなります。
レシピを覚えるだけでは見えなかった世界が見え始めるからです。
僕が講座で伝えたいのは、作り方だけではありません。
味噌の作り方を覚える。
醤油の作り方を覚える。
酢の作り方を覚える。
それだけなら、今の時代、インターネットでも本でも調べることができます。
僕が伝えたいのは、そのもっと奥です。

なぜ発酵するのか。
なぜ、この香りになるのか。
なぜ、この環境でこの微生物が動くのか。
そして、なぜ「時間」が必要なのか。
微生物学、発酵学、食品科学、そして自然界の仕組みから理解していく。
すると、味噌や醤油を見る目だけではなく、「食べる」という行為そのものを見る目が変わってきます。
食材を選ぶ基準も変わる。
調味料を見る基準も変わる。
「何を食べるか」だけではなく、
「誰が、どんな環境で、どれだけの時間をかけてつくったのか」
まで考えるようになる。
僕は、そこまで来て初めて、発酵を学ぶ本当の面白さが始まると思っています。
発酵を学ぶことは、自然から「待つこと」を学ぶこと。

微生物は、人間の時計では動いてくれません。
自然には、自然の時間があります。
だから発酵を学んでいるはずなのに、いつの間にか、自然の見方や食との向き合い方まで変わっていく。
それが、この世界の魅力です。
発酵食品をつくれるようになるだけの講座にはしたくありません。
一生使える発酵の知識と、
微生物を見る目と、
自然の変化を感じ取る力を身につけてほしい。
そして何年後かに、自分で仕込んだ醤油や味噌の蓋を開けた瞬間、
「あの日から、この微生物たちはずっと働いていたんだ」
そう感じてもらえたら、発酵というものの見え方は、きっと以前とはまったく違っているはずです。
発酵とは、時間をかけて食品をつくる技術ではありません。
時間そのものに価値を与える、自然の営みです。
その世界を、作り方だけではなく、科学から、微生物から、そして実践から学ぶ。
それが、僕たちが伝えたい食品発酵学です。
レシピを覚えるためではなく、
一生、発酵と向き合える力を身につけるために。
ここから一緒に、本当の発酵の世界を学んでみませんか。
第3期 食品発酵学プロスペシャリスト養成講座
東京開催|12月9日スタート
ただ味噌や醤油を「つくれる人」になるのではなく、
菌を理解し、自分で発酵を考えられる人へ。
自然界の微生物と向き合いながら、発酵調味料づくりを実践的に学んでいきます。
発酵をレシピから学ぶのではなく、菌から学ぶ。
それが、食品発酵学プロスペシャリスト養成講座です。






